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脚本家・劇作家・演出家 富良野自然塾塾長/富良野GROUP主宰 倉本聰さんインタビュー

 

倉本氏:人間が生きていくために必要なのは「酸素」、「水」、そして「食べ物」です。これをしっかり自力で確保することは自身の責任として果たすべきことではないでしょうか?

現在、日本全国で過疎化した山林地帯で、多くの山林が外国人によって買われてしまっている現状があります。確かに山林は、貨幣社会が決めた不動産査定では不当に低い価格がついてしまう。しかし、こうした山岳地の日本の水源確保という意味からも都会の森とは全く違う重要な役割を担っているのです。皇居の森や神宮の杜などは都市部のヒートアイランド現象の緩和には役立っているかもしれません。ただ、水源としての"水の確保"には殆んど寄与していません。さらにこうした水源確保の装置として機能する山の森は、川として先に繋がる海の豊かさにも大きな影響を及ぼす存在なのです。近頃では日本沿岸の近海で漁を営む漁師さんが、豊かな海を取り戻すために植林を始めたというニュースも聞かれるようになりました。因果関係が正しく理解できれば、人間はそれに向かって抜本的な行動に出ることができるはずです。

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