編集部:確かに、社会システムが急速に変化し、次々に新しい情報が昼夜を問わず飛び交う時代にあって、私たちは"新しさ"に追いつく事にばかり目が行き、汲々としています。
倉本氏:僕はワープロもパソコンも出来ません。新聞もとってはいません。でもそれを恥ずかしいとは思わないし、時代に遅れてしまうという恐怖も持っていません。日常のコミュニケーションに何の不都合もないし、自分の欲しい情報を手に入れる必要十分なネットワークもあります。
僕たちが真の意味で世界と向き合うには"心にストンと落ちる"、五感で納得できる方法をとらないとダメなんじゃないでしょうか。心に響かない限り、結局のところ本当のコトは見えてこないと僕は思うんです。
僕たちが取り組んでいる自然塾の活動は、人間が生物として生きて行く上で必要なもの、つまり、空気中の酸素、水、そして食べ物のことをしっかり原点から見つめ、自分が何をすべきかを自分で考えようという想いで始まったものです。"46億年の地球の道"も"裸足の道"も、地に足のついた感覚を最優先し、試行錯誤をくり返しつつ編み出してきたものです。
僕たちが生きていくために必要なものを整理し、それについてまず平明な言葉で語る。その上で、地球で起こっていることを自分で感じ、理解してもらう。そして、その先に起こることについては自分で考え、行動を起こして欲しいと願って考えたコンセプトなんです。