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脚本家・劇作家・演出家 富良野自然塾塾長/富良野GROUP主宰 倉本聰さんインタビュー

 

倉本氏:例えば「生物多様性」、今秋日本でも世界会議が開催され話題となったようですが、このテーマにしても深い議論には至らなかったような印象を持ちました。「地球に多様な生物が生存することは重要だ」と云う。しかし、「何故重要なのか?」という本質論ではなく、現状の数値が前面に提示され、絶滅危惧種を救うというような話題に終始してしまう。つまり、この問題の背景にある地球の現状という基本情報を理解するための説明や努力があまりにも不十分だったように感じています。

何故こんな状況になってしまったのでしょう? 僕は現状をこんな風に観察しているんです。近頃の大人たちは押し並べて、自分が知らないコトがあることを"恥かしい"と感じ、絶えず更新される最新情報に追いつくことばかりが重要だと思い込んでいます。その結果、常に背伸びをしてものを云う事に違和感すら感じなくなってしまった。だから子供たちに大切なことを説明する時も、"五合目の知識レベル"から話し出してしまうのです。でも当然のことながら、子供たちの知識は五合目には達していないから、大切なことが彼らの心にストンと落ちない。この説明の仕方で本当のことを理解しろと云われても、それは無理ではないでしょうか。

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倉本聰氏

 

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