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国立極地研究所 石沢賢二さん インタビュー

 

作家 立松和平さん インタビュー

編集部:まずは基本的なことから伺わせてください。「南極観測」がスタートした当初の経緯、現在の状況、そして将来的な展望についてお聞かせいただけますか?

石沢:南極観測を開始した当初は、“未知なる場所の探究”という単純に現地調査的な目的が大きかったと思います。それが徐々に、南極という特定の地点を調査するというより、南極の持つ特殊性へと焦点がシフトしていったと思います。今では一般の方々もご存知のことですが、南極は地球環境を知る上での様々な貴重な情報が集まっている場所です。さらに今や地球で南極でしか採取できない情報などもあることから、南極観測は地球環境そのものを深く知るための研究調査活動と言った方がいいでしょう。中でも南極での最重要課題を上げるとしたら、地球温暖化に関する調査研究です。リアルタイムの地球の実情を把握するべく、各種のデータを取ることはもちろんですが、南極の氷床をボーリング調査することによって過去の地球がどのような状況だったかを調べることなども可能になりました。

たとえば氷の大地を約3,000メートル掘り下げると、70万年前の気候状況が推測できます。現在と過去のデータを比較することによって、大気中の二酸化炭素の増加と地球温暖化には、どのような相関関係性があるのかというような研究ができるわけです。

 

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