JFE奥草津休暇村の確かな歩み
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第四部 休暇村の見所

穴地獄とチャツミゴケ
はしご
 
 
 

休暇村の自慢の場所をご案内いただけますか?

-- なんと言っても、まずは穴地獄でしょうね。ここではpH=2.8という強酸性の鉱泉が毎分、7000リットル湧き出しています。この強酸性水の中で、本州では此処だけで生息する稀少な苔、チャツボミコケの群落があります。かつては、この苔とバクテリアが関与して生成した鉄鉱石が、流域に10メートル〜30メートルの厚みを持ち、長さ2キロに渡る鉄鉱床を作っていました。穴地獄では今でも、このバクテリアとチャツボミコケによるバイオミネラリゼーション(=生物が関与して鉄鉱石が生成するプロセス)が進行していることが観察できます。

穴地獄   チャツミゴケ    
穴地獄   チャツボミゴケ    
 
 
見晴台

-- 休暇村北西500メートルの所に8世紀〜9世紀初頭頃とされる熊倉遺跡があります。ここは特殊な職業集団の居住後跡と推測されていて、奈良平安時代は、この露頭のベンガラを塗料に加工して、志賀高原の山田峠を越え、中仙道を運び、都の構築物の塗装に使われたという言い伝えも残されています。

ベンガラの岩   見晴台    
ベンガラの岩        


 
 
元山池

-- 温泉成分の混じった独特の色をした人口池です。光の具合で、神秘的なコバルト色にも見えます。眺めていると、刻々と池の色が変化し、周囲の風景を映し出します。湖畔には私が勝手に「休暇村の貴婦人」と呼んでいる白樺の樹があるんですが、対岸に立って、その白樺を眺めると心が落ち着いてきます。毎年渡り鳥もここには飛来し、羽根を休めている鳥たちも見られます。

元山池   元山池   休暇村の貴婦人
        休暇村の貴婦人


 
 
元山神社

-- 鉄山時代からの休暇村の守り神が祀る祠で、毎年7月中旬にその年の安全祈願のお祭りをしています。旅の安全を祈願してください。

元山神社        
 
 
日本人のこころの故郷山本さん
案内してくださった星野さんと川口さん


休暇村で皆さんはどのように過ごされていらっしゃいますか?

-- 自然との触れ合いを求めるご家族連れ、地域のサークルやグループなどの皆様に幅広い目的でご利用いただいているようです。奥草津休暇村は、一度は傷ついてしまった自然を元の姿に戻し、永年にわたって森の再生に取り組んできた場所です。自然が再生する過程を温かく見守りながら、その自然が時々刻々と教えてくれるさまざまなことを学びながら運営しています。おかげさまで、自然を大切にするお客様を数多くお迎えできるようになりました。

広い敷地内に充分な間隔をおいて7棟の山荘が点在しています。日常を忘れて、ゆっくりと自然の中を満喫していただきたいと思います。

鉄山1   鉄山1    
 

-- 休暇村には自然界の動植物が豊富ですから、高山植物や小動物・小鳥の観察、それに、星座観察もお薦めです。野鳥は年間で約90種類、昆虫は30種類、哺乳類の野生動物は12種類が観察できます。周辺に人口の光がほとんどないので、漆黒の闇に輝く星は、都会では絶対に見られないものです。

お子さんたちにお奨めしたい自然科学的な学習の場でしょうか。休暇村内には、「穴地獄」から噴出する火山性の強酸性温泉と500メートル下流に湧出している弱アルカリ性温泉の、泉質が全く異なる2種類の温泉が湧いています。これは休暇村の中に断層があることによるものです。また、穴地獄では先ほどもお話しましたが、水に溶解している鉄を苔とバクテリアが固定する「バイオミネラリゼーション」という現象がみられ、このおかげで、長い年月をかけて生成した化石を含んだ鉄鉱石を見ることが出来ます。

(取材後記をエコボイスに掲載しています)

鉄山1   鉄山1    
野生の花   自生するクレソン    


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