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竹田津実

竹田津 実 Minoru Taketazu
写真家・エッセイスト・獣医
北海道・東川町在住。1966年より小清水町において、キタキツネの生態調査を続け、1972年より傷ついた野生動物の保護・治療・リハビリの活動を始め、1979年よりナショナルトラスト『オホーツクの森』の建設運動を始める。映画「キタキツネ物語」の企画、動物監督、エッセイ集「子ギツネヘレンが残したもの」執筆など活動は多岐にわたる。
  エコファミリー・ナビゲーター竹田津実先生

「北海道の小学校で丹頂鶴に餌をやっていることが、美談として報道されるようなことがあるけれど、僕としてあえてこの動きに異論を唱えたいんです。丹頂鶴は鳥の生態系で言えば、頂点に位置するような存在、その裾野を支える多くの鳥たちがいてこそ、鳥の世界は成立するんです。カラスやすずめのような普通の鳥たちのこと、僕たちは普通に、もっと大切にしてこそ、鳥の生態系全体が正常な形で、未来に生命を継承していくことができるんです。だから、特定の種類だけを必要以上に保護するような方法には僕は違和感を覚えるんです。子育てにはちょっと失敗したけれど、なんとか孫には間に合うかもしれないと思って、自然とのつきあいかた、地球環境のルールの手ほどきを仲間たちとと始めたんですよ」と、はにかみながら、『オホーツクの村』の設立意図を説明してくださった竹田津先生。先生の眼差しには多くの動物たちの生命と永年にわたり向き合ってきた獣医としての愛と優しさが光ります。

『キタキツネ物語』(企画・動物監督)、『子ぎつねヘレンが残したもの』(エッセイ集)などで知られる竹田津実先生を、『eco family』のナビゲーターにお迎えし、私たちにとって身近な鳥のお話をしていただきます。

 

アオサギ アオサギ

多くが夏鳥として北海道にやってくる。シャイというより用心深いといった方がいいだろう。撮影に苦労する。

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過去のエッセイ一覧(全6回)
07 オジロワシ オジロワシ
昔、昆虫採集に熱中した。トンボから始まり、セミ、カブトムシ、チョウと飛んでいるものはなんでも捕った。
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  08 ヒヨドリ ヒヨドリ
庭の給餌台が夏のひと時、ほんの少し淋しくなる。自然が一番豊かな季節を迎えていることを物語る。
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05 ワタリガラス アカゲラ
ザイールと呼ばれた頃のコンゴ民主共和国を旅したことがある。
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  06 ヤマガラ ヤマガラ
庭に退院していった患者のためにと給餌台がある。大きい。いつも種々の餌であふれている。
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03 ワタリガラス クマゲラ
昔、そう、遥かな昔。そんなことが当たり前のように存在していた時代の話。北の地にあっては新米の...
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  04 ワタリガラス ハクチョウ
昔、傷ついた天然記念物のシマフクロウを持ち込まれてえらい苦労したことがある。
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01 ワタリガラス ワタリガラス
ワタリガラスが知床の岩棚に営巣しています...。と書かれた本を一冊リュックに押し込んで私はこの地に...
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  02 ワタリガラス シマアオジ
北海道の草原の三鳴鳥といえば、ノゴマ、オオジュリン、シマアオジと昔から決まっていた。
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