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昔、傷ついた天然記念物のシマフクロウを持ち込まれてえらい苦労したことがある。治療のことではない。あれは特別な鳥であるらしい。一生懸命に治療したら「とんでもないことを」とおしかりを受けた。どうやら特別な鳥は特別な所で診てもらうものらしいと分かった。私みたいな普通の技術屋ではまずいらしいのである。以来、普通の生き物と向き合うことにこだわった。特別はかんべん願っているのである。 ハクチョウは美しい鳥だ。しかも北国では普通の鳥。北海道内にはハクチョウの渡来する湖沼は数えると両手の指が要る程だ。そして、ごまんとやってくる。道北の湖では「今日は2万羽です」などと事なげに告げる。あの美しい鳥が2万羽も1ヶ所にいるのです。私はそのことだけで北海道は豊かだと断じてしまう。その上うれしいことに、人々は「来ましネー」と迎え、「帰りましたネー」で見送る。唯それだけ。その普通さがたまらない。 |
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