編集部:三國さんが現在、展開されている食育レッスン「KIDSシェフ」についてご説明いただけますか?
三國:内容も目的も非常にシンプルなレッスン。僕が考える“食”の基本、誰もが元々持っている5つの感覚を自分自身でしっかり感じてもらい、本当に美味しいものを実際に食べてもらうというレッスンだ。
このレッスンの参加者は本当に三國シェフの料理を食べることができるんですか?
三國:もちろん! 実際に食べてみることでしか実感できないのが“食”。まずは僕が作った世界三大珍味料理を食べてもらって、さまざまな味覚について知ってもらう。その後子供たちが実際に自分たちで作ったフルコースを食べるというのがレッスンの内容なんだ。
“あまい”、“すっぱい”、“しょっぱい”、“にが味”、そして“うま味”とは何かを知り、はっきり認識してもらうことは非常に大切なこと。最初の3つの味、“甘さ”、“酸っぱさ”、“塩ぱっさ”は、ほとんど誰でも識別できる味だけど、“苦み”や“うま味”はちょっと違う、複雑な味わいを持っている。自然界において苦いものは、基本的に毒や人体が消化分解できない要素があることが多く、これを口にすると、ほとんど本能的に吐き出そうとする。