ゴミ漫画家として
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大切な水を守る、地球の循環に組み込まれた生き方の幸せ術

現代日本の生活スタイルについてどのように感じていらっしゃいますか?

-- 今の日本は様々な価値観や生活術が世界中から紹介され、情報もたくさん入ってきていますが、地球にとって一番大切なことが見えにくくなってきているようですね。

私が心配しているのは「水」なんです。一部の地域では雨水を利用しているところもありますが、私たちが日常で使ったり、飲んだりしているのは、基本的には地下水なんですよね。そして、この地下水をちゃんと確保するには、「腐葉土」、森がやっぱり必要なんですよね。

「自然は大切だ」、「大自然はそのまま大切に保全し、人間が手をつけてはいけない」、という人もいますが、じゃあ、森が荒れている場合、そのままほったらかしでいいかというと、そうではないと私は思います。森はやっぱり、人間の手助け、「手入」を必要としているんですよね。森を、手をつかずにしておけばいい、じゃなくて、しっかりと手入れをし、地球の生態系に沿ってきちんと循環させることが大切じゃないかと思います。

例えばおにぎりを包むのはラップではなくて竹の皮とか、プラスチックのお皿より、陶器の皿。処分しても有毒ガスを出したりしないもの、そういうものを私は使いたいと思っています。

私たちはきれいな空気や水のおかげで生きています。だから、森や河川や海が汚れないよう、元気になるよう、自分が出す廃棄物はできるだけ害のない、きれいなものになるようにしたいんです。それって、実は自分の身体にもよくって、しかも楽しく、面白いことなんですから!


END
   
 

付記 石鹸の歴史と赤星先生からの石鹸に寄せるメッセージ

石鹸の発祥は5000年ほど前、起源前3000年ごろ、ローマ時代の初期、メソポタミヤのサポーの丘の神殿遺跡と言われています。神に捧げる“いけにえ”の羊を焼いた後、滴り落ちた油脂が木の灰(アルカリ)と混じり合い、鹸化(けんか)し、それで汚れがとれることに気がつき、“不思議な土”として広まったと言われています。
メソポタミア文明を築きあげたシューメール族は、羊毛を糸に加工する際、羊毛に付着している脂を落とすために、この“不思議な土(=石けん)”を使用していたといわれています

石鹸は一日程度で微生物によって分解されます。地球の循環システムに組み込まれている成分で、地球が人類に与えてくれた素晴らしい贈り物だと私は思っています。

石鹸関連の掲示板やQ&Aも充実の『赤星コム』 →

   
赤星たみこ 赤星たみこ  Tamiko AKABOSHI
1957年宮崎県生まれ。1979年『タラッタ★ポン』(「MiMi」講談社)でデビュー。代表作は『NEWキス・ミー』『でがらしTV』、『別れたら好きな人』など多数。また、著書に『私は趣味のエコロジスト』(メディアファクトリー、共著)『はいッ!ガンの赤星です!!』(扶桑社)『ゴミを出さない暮らしのコツ』(大和書房)がある。環境に深い関心を持ち、執筆のほか、講演の依頼も多い。


illustration ©Tamiko AKABOSHI 『赤星たみこの石けん達人』より
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