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Part 2 石鹸を使おう |
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石鹸での洗濯はどういうきっかけで使い始められたのですか? -- 「石鹸は環境にいい」というのを聞いてちょっと試しに使ってみるかくらいの気持ちで使い始めたんです。念のために確認しておきますが、私が今話題にしている「石鹸」っていうのは「洗濯石鹸」のことです。 最近では自分の身体に使う石鹸には、海外のものとかボディー石鹸のような高いものを使われる方も多くなりましたが、洗濯になると「合成洗剤」という人が圧倒的に多いようですね。 実は石鹸と合成洗剤、このふたつは実は全く別ものなんです。石鹸の形状には固形も粉末も液体もあり、用途も浴用、洗顔、洗髪、台所用、掃除用、洗濯用と色々ありますが中身は脂肪酸ナトリウムか脂肪酸カリウムというものなんです。だけど合成洗剤はものすごくたくさんの種類があります。ここ、重要なのでおぼえておいてください! 合成洗剤から石鹸に変えた当初は、使い方を間違えて、衣類を黄ばませたりヘンな臭いをさせたりという失敗をしていました。でもだんだん石鹸に慣れてくると、しっかりしみも落ちるようになりましたし、何年も着ているシャツも真っ白だし、洋服も長持ちする。とにかく汚れ落ちがよくて、手も荒れない。この石鹸で食器も洗えて、お風呂もトイレも全部洗っています。 「洗濯用の石鹸で食器を洗ってもいいの?」と驚かれるんですが、石鹸の場合、洗濯用も台所用も中身は同じ脂肪酸ナトリウム。合成洗剤は洗濯用と台所用では中身の成分が違うのでやめたほうがいいですが、石鹸は同じですからね。心配な人は無香料を選べばまったく問題ないですよ。 |
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今、洗濯と言うと、合成洗剤で洗い、さらに除菌やら漂白剤、柔軟剤などを入れたり、洗濯の前に襟に専用洗剤を塗りつけたりしている方が多いようですが、洗濯石鹸のよさは、きちんと溶かして洗えばそういうものがいっさい必要ないんです。そういうことがまだみんな知られていないんですよね。石鹸ユーザーって、3%だといわれていて、年々減ってきているそうです。残念ですねえ〜。 石鹸って油脂から作るんですね。豚や牛の脂だったり、椰子や米ぬかなどの植物性の油だったり、原料はいろいろですが、それに苛性ソーダを入れて作ります。それだけのとてもシンプルな成分なんです。ただ、植物油にしろ、獣脂にしろ、産地や季節によって品質に多少のばらつきが出ますから、職人さんが様子を見て調整しながら作るんです。 ところが合成洗剤は石油から作られています。石油コンビナートで精製してあるので職人の手作業ではなく、大工場の機械で大量生産が可能です。「植物性」の合成洗剤の場合は、普通に採取した植物油をわざわざ「高級アルコール」というものに変えて、それから合成洗剤にするんです。高級アルコールに変えた時点ですごく均質な物質になっているので、これも機械で大量生産が可能です。 植物由来といっても、植物油から直接作る石鹸と、わざわざ高級アルコールに変えてから作る合成洗剤があるので、注意が必要です。単純な見分け方は、石鹸には「石けん」と書いてあります。合成洗剤は「洗剤」と書いてあります。あと、アルキルナントカとか、アルキルエーテルナントカと書いてあるものは合成洗剤ですね。 私がここまで石鹸と合成洗剤の違いにこだわるのは、石鹸はほぼ一日で分解される、地球の循環システムにきちんと組み込まれた物質だからです。そして、石鹸はなにより河川を汚さない。1日たてば、石鹸は自然界の物質として分解されちゃいますからね。 |
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