ゴミ漫画家として
| 2 | 7 eco people index


赤星たみこさん

『エコピープル』で初めてインタビューをさせていただいたのが赤星たみこさん。あれから6年の月日が流れました。その間、私たちの環境への意識も大きく変わり、日常生活でも環境へのちょっとした配慮やゴミの分別をすることが普通になりました。 
当時始まったばかりの“ゴミ”の分別や環境へのさまざまなルールを楽しい漫画で教えてくださった赤星さんにどうしてもまた、お会いしたくて、懐かしい日本の原風景のような田園にある先生のお仕事場に伺いました。
Part 1 ゴミ漫画家として

ゴミ漫画家 赤星たみこの誕生の真実ゴミを出さない暮らしのコツ

なぜ「ゴミ」についての本を書くようになられたのですか?

-- 今まであった環境の本って面白くないと思ったんです。だから「私が面白くしてやる!」と思って。最初に出したのは93年に出した『私は趣味のエコロジスト』という本で、環境について「これは趣味なんだ!」という姿勢を打ち出したかったんです。環境問題を声高に叫ぶと関心のない人は引いちゃうので。私自身もそれほど熱心にやっいてるわけではないし。当初は「環境にいいことをしよう」なんて高邁な思想があってはじめたわけではないんです。ただ、もったいないという気持ちは昔から普通に持っていました。

「環境」のことをいつも真剣に考えているわけではなく、テレビでゴミ関連のニュースがあれば見ておくか、という程度の情報収集と、子どもの頃から新聞に載っていることをなんとなく覚えておいたのが私のデータベースで、特に頑張って調べたりしたわけではないんです。

そのうち97年に『ゴミを出さない暮らしのコツ』という本を書いたのですが、これも最初は「猫の本を出しませんか?」と言われ、「いや、ゴミのほうがネタも持っているのでそっちで行きたい」と提案したんですね。
   
  反応はありましたか?

-- これは出してすぐに反応がありましたね! 93年の段階ではほとんど反応がなかったのですが、4〜5年ですごく変わりました。今でこそ「LOHAS」というライフスタイル、ちょっと環境をファッション的に捉える要素も受け入れられていると思いますが、93年当時はまだ、「地球環境問題を趣味とは何事だ!」と怒る人もいましたよ(笑) 『ゴミを出さない生活のコツ』や『エコロなココロ』を読んだ方から、様々な役職を頼まれ引き受けさせていただく結果にもなりました。
   
  より深く「環境」に関わられるようになられて、一番問題意識をもたれたテーマは何でしたか?

-- 「水」ですね。水を汚さない生活をしたいと思っています。子供のころ読んだ新聞記事で一番ショックだったのは、川を汚すのは生活排水だ、という記事です。それまでは工場などの廃液が河川を汚すと思っていただけにショックでした。

ただ、河川の汚れは公害問題が取りざたされていたころよりはきれいになっているんですよね。工場廃液の規制が厳しくなり、下水道や浄化槽の普及もあって。すごくいいことですが、家庭排水は昔より汚れがひどくなっているというデータもあるんです。料理が脂っこくなったり、食べ残しが多くなったり、洗剤の使用量が増えたり・・・。それを思うと、河川を汚しているのは家庭排水だと・・・。これからもっともっと河川を美しく保つには家庭排水をいかにきれいにするか、このことのほうが重要なんです。

それから、山や森林の保水能力についても、環境系の会議や講演に出させていくうちにいろいろ知ることになりました。やっぱり水問題が、一番、問題意識を刺激しますね。
   
  赤星さんがそこまで「ゴミ」に関心を持たれたのはなぜですか?

-- 漫画家って、基本的に「凝り症」な人種なんですよ。時計だったり、車だったり、人によって関心が何に向くかはそれぞれですけど、私の場合は、たまたまゴミに向かっただけ。ゴミって毎日の生活のことだし、ゴミ出しのために朝起きたくない!と思ったんです(笑)
寝ていたいというのは、すごく根源的な欲求ですよね。私の場合はここが出発点。とにかくゴミを減らせば寝ていられるという単純な論理が、私なりにゴミを極める方向にいったんだと思いますね。
| 2 | 7 eco people index