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石鹸は河川を汚さないのですか? -- 1億2千万人の日本人が全員、毎日10kgの石鹸を流したら汚れるかも知れませんが(笑)、そんな非常識な使い方は誰もしないし、出来ないですよね。常識的な使い方で、下水道や浄化槽を適切に使えば石鹸が河川を汚すことは考えられないです。うちの浄化槽なんか石鹸に替えてからものすごく調子が良くて、点検の人が毎回褒めてくれるほどです。 何度も言いますが、石鹸はほぼ一日で100%分解されます。しかも石鹸は毒性ないし。固形石けんは外に出しておくとカラスや鼠がえさとして食べちゃうくらいです。川に流した場合、石鹸カスは魚のえさになるし、もっと小さな微生物もちゃんと食べてくれる、つまり分解してくれるんです。しかも、私が声を大にして言いたいのは、石鹸は洗浄力が高い、ということです。洗浄学や界面活性剤の研究者の間では、石鹸が一番洗浄力ある、というのは常識だそうですよ。 |
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そんな優秀な石鹸が合成洗剤に取って替わられてしまったのは何故でしょうか? -- 石鹸はまずしっかり溶かし込みをしないと、トラブルの原因になり易いんですよね。合成洗剤はさっと水に溶けたように見えるし、少量でも泡立つという特徴があります。だから合成洗剤のほうが手軽に使えるような気がするということではないでしょうか。 でも本当は石鹸でも合成洗剤でもきちんと溶かしてから衣類をいれた方が洗浄力はどちらも格段にアップするんです。だけど、そういう溶かし込みの手間を消費者にかけたくないという洗剤メーカーや石鹸メーカーの思い込みがあって、洗濯全体の方向性が「手軽・簡単・入れるだけでOK」という流れにいってしまったんでしょうね。 そのやり方で石鹸を使うと、石鹸が本来持っている洗浄力はまったく発揮できず、黄ばみなどのトラブルの原因になり、そこから石鹸離れがどんどん進んだんです。でも本当にちゃんとした洗濯法(事前に良く溶かす、泡立った状態で洗う)をとれば、石鹸以上に汚れ落ちのいいものはないんです。 |
だけど、本当にそうでしょうか? 襟汚れが落ちないから事前に専用洗剤を塗りこむし、靴下も事前に下洗いしてから洗濯機にいれたり、臭いが気になるから部屋干し専用洗剤や除菌剤配合洗剤を買ったり、すごく細分化しています。 石鹸にしろ、合成洗剤にしろ、正しい洗濯方法をとれば、そんなに何種類も必要ないし、事前のケアも必要ないんですけどねぇ。 この20年余り、企業が消費者にできるだけ手間を掛けさせないように、という「企業努力」をしてきましたが、それは本当に消費者のためになったのでしょうか? 楽チンを選んでいるつもりがかえって手間を増やしていることがあるんじゃないかなあ? 本当の楽チンって、もっと根本的なところを解決したほうがいいと思うんです。 今は、これは何用、これは何用って決まっているでしょう? 鍋の汚れにはこれ、換気扇にはこれ、襟汚れにはこれ、男の子はこれ、女の子はこれって、なにもかもが決められていて、消費者は自分では一切考えないようにさせている仕掛けがあるように感じますね。買い物にいくと、モノが溢れていますよね。でも、石鹸がひとつあれば、洗浄に関することはこれ一つで事足ります。 |
冬になり、空気が乾燥してきたら、蜂蜜をお風呂に置いておいて、シャンプーする前にまず頭に蜂蜜を塗ってから石鹸で丁寧に洗う。蜂蜜を入れると泡立ちがまろやかになり、髪をしっとりさせる効果がある。ここにもしっかり「蜂蜜の保湿効果」という理屈があるんです。こういうことは楽しんで、自分で考えるわけです。自分の体調や気分を考えて、好きな香りのエッセンシャルオイルなんかを混ぜたりする楽しみも生まれるでしょう。 大げさに聞こえるかもしれませんが、洗浄剤を石鹸に変えてから、「私の生き方」そのものが変わったと思うようになりました。今まではなんでもメーカーによって決められたお仕着せのものを使っていましたが、自分で、自分にあったものを自分で工夫して使う、という生活になったんです。それは、自分で考える生き方でもあるんです。 これって石鹸に限ったことではなく、商品の意義、その目的がはっきり理解できていれば、成分表を見て、自分なりに色々と工夫することができるはずですよね。親切すぎる商品のお蔭で、今の消費者は「工夫する楽しみ」やその機会がどんどん奪われてしまったように感じますね。 |
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