編集部 日本発で制作されていることを不利だとか、不都合に感じたことはありますか?
倉田 全くありませんね。確かに一見、僕のスタイルはある意味で西洋にルーツがあるように見えますが、仮に僕がヨーロッパで活動し、作品を発表したとしても、そこでの本流ではない訳ですし、僕の作品も僕自身の立ち位置も結局は曖昧なものになってしまうと考えます。 一方、僕がここに居て、こうしたモノを作り上げていることに予想以上に多くの日本人、そして近隣の韓国や中国の人が関心を持って受けとめていてくれることが分かりました。特にロボット、ボトムズの制作過程をBLOGにアップしていた時に、どんな人が見てくれているのだろうと思い、アクセス検索をかけたところ、圧倒的にアジアの人たちが僕の仕事に関心を示してくれていたことが判明しました。僕の仕事における"世界の中心"とは、西洋鍛冶の発祥の地ではなく、今まさに僕が活動している場所なんだと思っています。だから、ここからも僕の作りたいもの、見てみたいもの、面白がれるものに、自然体で取り組んでゆきたいと思っています。
2011年5月18日