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鍛治師 / 造形作家 倉田光吾郎さんインタビュー

 

編集部 鍛冶の正式な修行をされた訳ではないんですか?

倉田 順序を踏んで、鍛冶技術の習得してきた訳ではありません。ただ、何事をそうだと思いますが、この世界でも最も大切な技は基本的な技術です。鉄の場合は鉄をまっすぐに扱う技術、僕自身、"これに始まり、それに終わる"ことを実感しています。装飾部分の加工技術がいくら上手くたってそれは枝葉の印象に過ぎません。構造上の整合性を約束し、視覚的にも安定感を与える、ブレのないまっすぐなラインを作り上げる技は、仕事そのものの完成度を決定するものです。

編集部 倉田さんの"モノづくり"のスタイルを教えていただけますか?例えば、最初に設計図を書かれるのでしょうか?

倉田 いえ、僕は基本的に設計図を書きません。僕が作っているものは三次元の立体で表現するものです。だから、発想そのものまでもが二次元に落とし込まれる危険性のある設計図の制作にはあまり意味を見出せないので、最初から立体模型を作ることで、構造を考えることにしています。立体的に思考することで実感できる奥行きや質感があり、組み立てる上での作業行程までが、立体模型の制作時にシミュレーションできるからです。

作業テーブル&道具 カーボーイの前掛け姿 ハンマーを打つ手元

 

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