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独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)理事長 安井至さんインタビュー

 

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)理事長 安井至さんインタビュー

編集部:「記録をとり続けること」、「自らの座標軸を設定すること」、「的確な判断をし、それを主張する事」、わたしたちが向かい合うべき様々な問題に対する処方箋をお聞かせくださいました。しかしそれらのメソッド、つまり論理が構成される過程において環境問題というシーンでは、しばしば「情緒」や「感情」がその動機になることも見受けられます。

安井氏:私は理系の学者、つまり技術屋です。元来、論理を構築するということが得意なタイプの人間だと自覚しています。少なくとも私は、論理に情緒をなるべく持ち込まないようにしています。情緒というのは“揺らぎ”に近いものですから、サイエンスの対象にはなりづらいんですね。
「何が正しいのか?」、「なぜそうなるのか?」、そういった分析や検証には安定した根拠が要求されるのです。そういった意味から“情緒”を取り込んだ判断というのはなかなか難しいことになる。ただし、情緒が信念に近い“価値観”まで昇華されたとき、それはひとつの判断根拠へとなりうるでしょうね。

時代や状況が急激に変化する中で、さまざまなシーンにおいて私たちを正しい判断に導いてくれる“価値観”とはどのように醸成されるのでしょうか?

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