ecobeing logo

株式会社アグリコンパス 代表取締役社長 森下司さんインタビュー

 

まず〈アグリプランナー/アグリポケット〉、これは生産者が栽培計画を立て、その後の生産工程管理をサポートするシステムで、栽培履歴情報の入力を通じてデータを整然と管理することが出来るだけでなく、私たちが提供する農薬、肥料情報のご活用が可能です。幸いにも最新農薬情報の充実と適正使用判断機能はお客様からも好評を頂いております。加えて、労務管理や生産者の採算管理が可能な機能をオプションシステムとして追加リリース予定です。私たちのシステムはインターネットを介したASP(*1)で提供しておりますので、少ない費用負担で高度なセキュリティの効いたデータを簡単な操作で活用できます。

森下:そして次に、〈アグリポイント〉は生産者からの集荷から分荷、出荷までのすべての集出荷業務から精算業務をトータルで管理するシステムです。これまで物流現場では目視による検数が行われてきましたが、バーコードとマークシートによるデータ化を実現するこのアグリポイントは、現場作業の作業人数を圧縮し、大幅な作業時間短縮達成されています。収益の押し上げに貢献するだけでなく、スピーディな物流管理により鮮度の高い野菜をより早くマーケットに届けるインフラ環境が整備されています。

アグリポケット

圃場での記録、情報閲覧には、コンパクトで使いやすい携帯端末(写真右)を利用。記録されたデータはインターネットを通じ農業法人、流通・小売企業とも共有でき、栽培進捗状況や出荷計画の確認も可能。蓄積データを基に、綿密な営業指導も受けることもできる。


アグリポイント

既存の系統農協の電算システムとの間で、荷受と出報明細を電子データのまま受け渡しができ従来の伝票作業を大幅に軽減し、時間と労力の削減が可能。また、すべての情報は、アグリコンパス社のデータセンターに保持されるため、集荷場のコンピュータの保守業務は不要。また、インターネットからのアクセスにより、関連部署との情報の共有化が容易に行なえる。

編集部:“食の安全”がこれだけ取り沙汰される時代になると、消費者にとっては生で食べることも多い野菜などは値段もさることながら、生産者マークがついている野菜につい手が伸びてしまいます。でも、この判断って、“顔を出す”くらいの生産者だから、誠実なものづくりをしているだろうという情緒的な判断であって、今伺った“生産履歴”がしっかりトレースされるというシステムとはちょっと違いますね。

森下:農業の生産現場では生産者が真剣に野菜や果物作りに向き合っています。植物は紛れもなく生き物であり、栽培の手を抜けば直ちにそれなりの反応が現れてしまう。現場にいる皆さんは常に真剣勝負です。その様な仕事をしている生産者が自らの顔を証として送り出しているものは、それなりの信用に値する仕事がなされたと判断をしても良いでしょうし、生産者の“想い”を受けた流通業者とのコラボレーションの成果として、その野菜の魅力が売り場で“見えている”状態になっているということも言えるでしょう。 ただ、我々が目指すのはもうちょっと広いプラットフォームでの“見える化”の実現であり、お客様の業務の効率化を下支えするということです。生産履歴の管理システムの導入を潜在的に希望していらっしゃる生産者や流通業者に向けて、このシステムを評価していただき、作業の効率を上げるお手伝いや、コストの軽減に貢献したいと考えています。

 

back パート1