森下:“農業が持続可能なビジネス”として、将来の日本に根付いていかないと、国民生活の基本でもある「食」の確保がおぼつかないことがはっきりしてきました。しかし、農業をビジネスとして成立させるだけの質の高い経営をするには、実に幅広い知識と能力と的確な判断、それを支える作業が要求されます。私たちは裏方として少しでもその作業の質を向上し、量を軽減するシステムを提供してゆきたいと考えています。
編集部:つまり、生産現場から消費者までを一本の線でつなぐ事で、それぞれの段階毎に重複していた事務処理が不要になり、よりスピーディに食料が流れるというシステムを市場に導入するということですか?
森下:いやそれだけではないんです。我々のデータ管理は生産現場において種まき前の土づくりから始まり、生産者がいつ種を蒔き、肥料をやり、収獲、出荷したか、さらにJA等を経て市場で卸され、代金精算を行うところまで一括管理出来ます。近い将来、スーパー、直売所等の野菜売り場までを繋ぐシステムにする予定です。つまり、生産履歴と流通履歴が一体化していくのです。最近、生産者の顔写真のついた野菜を多くみかけるようになりましたが、アグリコンパスで管理されている野菜については生産者がいつ、どんなことをして、野菜を育てたかまでもデータとして提示することが可能です。