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工学博士 松本光一郎さんインタビュー

 

工学博士 松本光一郎さん

編集部:今回、私たちエコビーイング編集部は「南極」に焦点をあてたいと取材を進めています。南極では永年にわたって様々な研究が行われており、その中でも地球環境に関する研究や調査はとても重要なものだと思います。南極観測へ向かうための船である「しらせ」も当然地球環境に配慮されているのでしょうか?

松本:そうですね、「しらせ」は砕氷船と呼ばれていますとおり、通常の海洋航海だけではなく、氷海を進んでいかなければなりません。そのための特別な技術やノウハウが込められています。「しらせ」のミッションを手短じかに言えば、人と物資を南極まで運ぶというものです。が、おっしゃるようにそのミッションを果たす過程において、地球環境に負荷を与えない配慮や処置が非常に重要であると、私たちは受け止めています。 世界を股にかけて移動する船はつまり、広範囲における海洋の生態系を壊すリスクを同時に持っているとも言えるのです。たとえば何らかの事故によって船が損傷し、燃料等が船外へ漏れてしまうと大変大きな海洋汚染につながることはご存知かと思います。そのために「しらせ」は二重船殻と呼ばれる構造がとられ、船内の油が船外に流出しないよう設計されています。また、航海中に船の中で出たゴミについても、それぞれに然るべき処理をするべく、船内にはゴミ処理室が完備されています。

 

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