エコビーイングは未来の世代に健康な地球を伝える環境サイトです。
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2005年春、閉鎖された富良野プリンスホテルゴルフコースの中の6ホール(約35ヘクタール)を森に還すため、植樹をし、自然の生態系を回復させます。植樹は、森で採取した種を蒔き育てた苗と、山に自然に生えている育ちきらない木の 芽を移植します。(富良野自然塾公式ホームページより)
ルポルタージュ2 自然返還プログラム
環境教育プログラムを受講し、地球の現実を知った今、実際に「木を植えること」ができるということに、救われる想いです。育苗地を案内していただき、どのような種類の木が植林されているかを学びます。芽が出るまでに何年もかかる種類、せっかく植えても枯れてしまうこともある事実。植林がいかに大変で、深い愛情が必要かを実感します。まず、苗の成長にどれだけの時間がかかるかということを教えていただきました。
『例えばカエデですが、最初は双葉なんです。やがて3つ葉となり、5cm程の大きさになるのになんと3年かかります』。
続いて、森の中に種が落ち芽が出たものの、あまり成長にはふさわしくない場所に芽吹いたものを苗として他の場所に移す準備に移る。これがまさに、倉本さんがおっしゃる「森が自ら再生しようとするのを少しだけ手伝う」ということにあたるのではないでしょうかと齋藤さん。
芽吹いているものの周りをスコップで掘って、ビニールポットに移していく。その際、空気が入ってしまうと根が迷子になってしまうので、隙間なく土をいれるのだという。ゴルフ場の比較的いい土が取れる場所から袋に移していただいた、黒土を半分ほどいれていく。このとき、『穴を掘ったところもこの黒土で埋めてくださいね』と教えていただいた。
少しずつ、自分が移す芽に愛着がわき始めた頃、齋藤さんがこんな話をしてくれました。『最初は、鹿に食べられてしまって、どうにかしようとしていたんですが、倉本先生はこれもいいだろうということにしたんです。もともとは彼ら(鹿たち)のものですから、戻ってきてくれるということはそれでいいことですどうぞ食べてくれと。また植えるから、そういう気持ちでいます』。都会では、決して味わえない「あたたかい気持ち」がジワーっと広がっていくのを感じました。
ビニールポットに移した芽は、育苗地で適切な大きさになるまで育てられるという。種から、苗を育て、植樹するという富良野自然塾の「植樹」を体験できるということです。
楊の苗(剪定した枝を土に挿すとこのように芽がでるそうです)
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まず、直径にして80cmほどの面積を丸くスコップで切り目を入れていきます。そしてお好み焼きのように、4つに切って、ゴルフ場の芝をはがしていきます芝は、後ほど使うためとっておいてくださいとのこと。はがしたら、15cmくらい掘ります掘った土を一旦横に置いておきます。
この土に少し黒土を混ぜ込んでいく。この混ぜたところに、このカミネッコンをおいていきます。このカミネッコンはしっかりと根を守ります。『根を守ってあげることが苗を育てる上で非常に重要です。しっかりと根を守って、しっかりした根を張って、外にでていく小学生、中学生ときて社会にでていくということでしょうか』と齋藤さん。この素材がダンボール、紙でできていますから、土に返っていくのだそうです。
カミネッコンを並べたら、先ほどの芝をひっくり返して敷いていきます。そのままだと芝がまた生えてしまうが、ひっくり返すことで芝が枯れて肥料になったり、保温・保湿などの効果が見込めるそうです。しかし、あまりに密集させて苗を植えてしまうと、すぐに枯れてしまうのでは? と、どうしても気になり伺いました。すると、植樹するということに、やみくもに取り組んでいる訳ではない、素晴らしい工夫をお聞きすることができました。
3つをまとめて植えるのは、早くたくさんの日光を得たいと苗同士が競争することで、1本だけ植えるより早く成長をするということ。そこには、できるだけ早く、競争力のある強い木に育てたいという想いがあるのです。1本だけ植えると、横方向にばかり枝を伸ばしてしまい、その結果、冬季の雪でやられてしまい、成長も遅くなってしまうそうです。だからこそ3本を隣り合わせで植えることで、それぞれの苗が競争するようにさせるのだそうです。
また、植える際には、できるだけ3種類別々のものを植えるようにしているそうです。これは、同じ種類の3本だと、病気などで枯れてしまうときはいっぺんに枯れてしまうからだそうです。
そして、こういったことも教えていただきました。ある程度経つと、自然淘汰されていく。全部が全部育ってくれるということではない、と。「葉」を持つ木を育てるということはそういうことだと教えていただいた気がしました。
カミネッコン:北海道大学の名誉教授である東三郎氏が開発したもの。ダンボール素材で根を守り、他の苗と組み合わせられる6角形の形状になっている
土をかける。
ひっくり返した芝を敷き詰めて植樹の完成。
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植樹が終わった時、齋藤さんはこうおっしゃっいました。『自然には、元の姿に戻ろうという強さがあります。人間はそれをできるだけ早く、手助けをしてあげられることしかできません。今、私たちは閉鎖されたゴルフ場を森に再生しようとしています。これからはもしかするとスキー場もそうなってくるところがあるかもしれない。この富良野自然塾の取り組みが、そういう閉鎖になってしまったところのモデルになればと思います。これからは、開発はもういいと、自然を回復させる時代なのではないでしょうか?』。
『自分たちが植えた木が立派に育っているかどうかを確認するためにも名札をつけて、是非見にきたいです』と伝えたところ、植樹を体験した人はそういう気持ちになる方がたくさんいらっしゃるとのこと。
そこで再び、齋藤さんは優しくおっしゃいました。『名札をつけた木がたまたま枯れてしまっていると、非常に悲しい気持ちにさせてしまいます。だから僕らとしてはフィールドに番地をつけ、あの辺だったなということくらいは分るようにしたいと思っています』。現在、その番地プレートを作成中とか。ちょっと楽しみです。
この石碑(戯曲『ニングル』の中の一節)にあるように、地球においても木が、そして森が死ぬときが私たちの最後なのでしょう...。
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自然返還事業
植樹プログラム
期間:6月〜10月下旬(フィールド状況により前後します)
場所:富良野自然塾フィールド(元富良野プリンスホテルゴルフコース)
時間:1〜3時間程度(ご相談に応じます)
内容:種から育てた苗や山採りの苗等、富良野に自生する樹種を、主にカミネッコンを使用し植樹。
mail:
shizenjuku@furano.ne.jp
TEL :0167-22-4019
FAX :0167-22-5385
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