しらせ5003

1800年代初頭に人類がはじめて南極大陸に辿り着いたといわれ、1911年にノルウェー人のロアール・アムンセンらが南極点に到達してから、まもなく100年が経ちます。我々人類はどこの国でもない南極という地と、国籍や人種を超えた「地球人」としての振る舞いで付き合ってきました。その礎となっている南極条約も今年で締結50周年を迎えています。

その間、南極は地球の共有財産として、また科学的な見地からも地球環境や気候変動などの分析・調査をする上で大変貴重な舞台となってきました。エコビーイング編集部では、長らくその南極調査に力を注いできた日本の調査隊の活動や展望を取材し、また実際に南極へ足を踏み入れた方々からお話を伺うことで、私たちを取り巻く日常的な環境問題から、より大きく視野を広げて地球規模の環境問題や、地球に生きるとはいかなることなのかという根源的な問題について、多面的な視点で考えてみたいと思います。

「南極」特集前篇の今回は、日本の南極観測隊の活動を支える砕氷艦「しらせ」が主役です。“極地”といわれる環境に向かい、戻ってくるための船とは一体どのような船なのでしょうか?第51次南極観測隊の活動支援のため、2009年11月10日に晴海埠頭から出航した「しらせ」を出航前に編集部は乗船取材をし、「しらせ」を実際に造ったユニバーサル造船の方にお話を伺いました。

 

南極特集パート1
南極特集パート2