梅雨の憂鬱を吹き飛ばす、さわやかなレモンの味
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レモン

お日様の光りはたっぷりあるけれど、朝晩は少し肌寒い。梅雨に入る少し手前のこの季節、私の住む新潟はとても過ごしやすい。でも心地よい時期はつかの間で、すぐにジメジメとした長雨が続き、その後はいよいよ暑い暑い夏の到来。気候の変化が忙しくて、体の調子を壊しやすい時期でもある。そんな時、太陽を小さくしたようなまっ黄色のレモンを見ていると、心身がシャッキリと蘇る気がする。なので、これから夏にかけ、わが家の冷蔵庫には、レモンがゴロゴロと常備されることに。

 
元気な夏を迎える準備、夏こそがレモンが大活躍! 炒め物にかけたり、サラダにかけたり、デザートにしたり。娘は小さい頃から、酸っぱいものは全然平気だけど、甘いお菓子は苦手。毎年焼く誕生日ケーキも、「生クリームはつけないで。スポンジだけにして」とお願いされる。いくらなんでもスポンジにロウソクを立てるのは嫌なので、甘さめちゃくちゃ控えめのホイップを塗り、いちごをのせただけのシンプルケーキで許してもらっている。今回も「チーズケーキを作るよ」と言うと、口の端がギュっと下がった。ケーキの中でもチーズケーキは特に苦手なのだ。まぁまぁ、作ってみようよ! おいしいからサ! となだめ、キッチンに。
 
一滴も余すことなくギュウっとね。 今回は皮まで使うので、国産の無農薬レモンを使用。国産のレモンは輸入ものに比べると小ぶりで、皮が少し固く、オレンジやグレープフルーツに似た、甘くて青い香りがする。皮の黄色い部分をすり下ろすと、部屋中に爽やかな香りが漂い、天然のアロマ効果に2人してうっとり。娘の表情がちょっぴり柔らかくなった。しめしめ....。次に果汁を絞りましょう。一滴も余すことなく、ギュウッとね。ケーキの台はビスケットで。ビスケットをビニール袋に入れて、指で砕いていきます。これに溶かしバターを混ぜ、器に敷き詰める。これからの季節、なるべく火は使いたくありません。後は材料を練って混ぜでいくだけ。カンタンで豪華に見えるのが、このお菓子のいいところ。
     
ケーキ作り1   ケーキ作り2
 
冷やし固めている間に

冷蔵庫で冷やし固めている間に、飾りのミントを収穫することに。去年の夏、買って余ったミントを、玄関の脇の土に埋めたら、わさわさと自生。中にはミントとは思えないような巨大な葉っぱもあるけれど、香りがとても良くて、なにかと活躍しています。

固まったケーキにミントを散らして出来上がり。あら? おいしそうにモグモグ食べてる。「これは好き」だって。レモン効果かしら。「よっしゃー!」思わずガッツポーズです。甘いもの苦手な方、ぜひ挑戦してみてくださいませ。

     
ミント摘み   ケーキのできあがり
 

レモン風味のチーズケーキの作り方

○材料
レモン1個
クリームチーズ 200g
サワークリーム 100cc
生クリーム 100cc
粉ゼラチン 5g
グラニュー糖 60g
ビスケット 12枚
バター 40g
ミントの葉適宜

○作り方
1 レモンは皮をすり下ろし、果汁を絞る。
2 ゼラチンは50ccの水でふやかし、レンジに20秒ほどかけて溶かす。
3  ボールにクリームチーズを入れ、練る。柔らかくなったら砂糖を加えて混ぜる。
  サワークリームを入れて混ぜ、生クリームを加える。12 を入れてしっかりと
  混ぜ合わせる。
4 ビニール袋にビスケットを入れ、指で砕く。ボールに移し、溶かしたバターを加
  えて混ぜ合わせ、器に敷き詰める。3 を流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。ミン
  トを散らす。

 
中島有香 中島有香 Yuka Nakajima
大阪出身、新潟在住。1988年に渡仏し、フランス料理の基礎を学ぶ。帰国後東京にて、女性誌や料理教室でオリジナルの家庭料理を提案。94年に結婚を機に新潟に暮らす。現在は新潟の豊富な素材に感謝しながら、自宅での料理教室等でその使い方と楽しみ方を発信。利酒師の資格を持ち、地元の味の研究にも余念がない。夫と娘の三人家族。
関連サイト → http://www.yuka-chotsu.com

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