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つまり、環境や自然と共生しながら、未来の市民の方々が安心してこの地で仕事をし、子供を育て、生活をエンジョイできる施設が整備された21世紀に求められる生活空間を作るあげるために、官民の壁を乗り越えて、双方の叡智を結集しようと考えたのです。 編集部:それにしてもずいぶん盛りだくさんな目標を掲げた計画ですね。質の高さと規模の大きさに正直驚いています。 山田:確かに欲張りなプロジェクトだと思います。でもこれからの時代は、それぞれの専門分野が別々の基準で動いていたのでは、解決できないことがいたずらに増えるばかりではないでしょうか? 多様なアイデアや現場での経験、ノウハウを踏まえ、包括的な解決に向かう努力を各専門分野が重ねない限り、健全な循環機能を有した都市は形成されないのではないかと思いますよ。 編集部:全国を見渡すと実に様々な都市開発計画が進んでいますが、正直なところ官と民の意識とはかなり違う点があるように見受けられます。それに巨大プロジェクトにつきものの完成後の維持・管理費などについてはどうようになっているのでしょうか?ご意見を伺えますか? 山田:巨大プロジェクトに対する市民の方々の心情は十分理解できます。ただ 蘇我プロジェクトならではの優位性、オリジナルな出発点があるとすれば、次のようなことを挙げることができます。まず、こうした開発計画の最大の問題である土地の確保が製鉄工場跡地という経緯から実にスムーズにできたこと。さらに、その企業が地元で長年事業をされてきた実績の裏付けから市民や行政との間にも篤い信頼関係もあり、蘇我の発展に真剣に望んでいる共通の志を持つパートナーであること、それは大きな優位性としてあげることができるのではないかと思います。 本プロジェクトは一過性の繁栄を狙った狩猟型の開発ではなく、きわめて農耕型、つまり今後の持続的な発展を重視したものなのです。 築かれた信頼をベースに、段階的に進展するまちづくりプランを早い時期からホームページ上でも公開し、市民やNPO団体などからの声を聞くシステム確立を念頭に動いてきました。 今年もこんな安心して生活ができる。そして10年後にも同じように子供たちが安心して遊びまわっている風景がここにある、そんな“まちづくり”を蘇我では実現したいのです。 編集部:“住み続ける理由がある”まちづくりというわけですね。 >>PAGE-2 |
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▼PAGE1/21世紀のまちづくりの基本姿勢を支えるのは農耕型の発想回路
▼PAGE2/“It's my town (私の街だ)という意識 ▼PAGE3/“時間と共に進化し、熟成する街”を目ざして |