編集部:グローバル化が進む中、日本が国際的なシーンで然るべき役割を果たし、環境技術先進国としての存在感を示して行くにはどうすればよいとお考えですか?
石川氏:今の日本が必要としているのは、ブレイクスルーする政策の立案とその施行、そして連帯感のある"ものづくり"の姿勢ではないでしょうか? 現状をフラットに見つめる視線と未来という時間帯において、どうなっていたいかを明確にイメージし、日本ができることを真摯に丁寧に、そして毅然とした行動をとることではないかと思います。
例えば、日本は現在、確実に高齢化社会に突入してゆきます。社会全体が今までの右肩上がりの発想から脱却し、新しい価値観にシフトするべきタイミングにさしかかっています。ここでの価値基準は快適で安心、そしてコンパクトなライフスタイルです。
最近の若者は車離れしています。そして車への評価にも、同様な変化が起こっているのです。使う目的によって車種を変える、つまり遠距離はガソリン車、近距離は電気自動車として車を使い分けたりするのもひとつの選択肢ですし、旅先で利用するレンタカーは電気自動車にしたり、ウィークデーのカーシェアリングに参加したりする。こうした経験は"社会のあり方が日々、リニューアルされていること"を実感するシーンになるはずです。
編集部:たしか沖縄では試験的に電気自動車が導入されていますね。» 琉球新聞記事
石川氏:限定された地域内で、EVの魅力を実感することはとても重要な経験でしょうね。新しいシステムを普及させるのはインフラの整備も非常に重要ですが、その価値観の植え付けも劣らず大切なアクションだと思います。いずれにしても、この問題は日本という国がどのような方向性を自分で選び、それを実践していくかの行動への覚悟が問われているように感じます。