食材小辞典
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アボカド

森のバター、アボカド

 
原産地はアメリカ

中央アメリカ原産地とされるアボカドは、既に紀元前のメキシコからペルーにかけて栽培されてきた歴史の古いフルーツです。現在では世界中の熱帯や亜熱帯地方を中心に幅広いエリアで生産されています。日本国内でも和歌山県などでごく少量生産されていますが、国内で販売されているアボカドのほとんどはメキシコからの輸入品です。

アボカドはAbo(クスノキ科ワニナシ属)の果実で、樹木は数メートルから25メートルにまで育ちます。 5月頃に花をつけ、11〜12月頃に果実が収穫されます。

 
アボカド? アボガド?

中南米ではアボカドは“アワカテ”、“ワカモレ”または“グアカモレ”とも呼ばれています。(“ワカモレ”、“グアカモレ”はアボカドを使って作ったサルサを指すこともあります。)日本では「アボガド」と呼ぶ人もいますが、正しくは「アボカド」。 ちなみに、「アボガド」(abogado)はスペイン語では弁護士を指す言葉です。 

 
フルーツだけど、トロの味?

アボカドは果実ですが、甘みはほとんどありません。お醤油との相性が良いこともあり、巻き寿司のネタとしても人気があり、(カリフォルニアロールなど)その味をマグロのトロにたとえられることがあります。ちなみに日本の輸入先ナンバー・ワンのメキシコでは、アボカドとトマトなどで“ワカモレ”というサルサ(ソース)を作り、トルティージャに載せて食べられ、メキシコの代表的な日常食のひとつです。

 
おいしく食べるには?

店頭で販売されているアボカドには熟成が足りず、固くて苦みがあるものもありますが、常温で置いておくと自然に熟して、食べごろになります。指で表皮を軽く押し、柔らかさを感じる程度になったら食べごろ。 また見た目では、果皮の色が濃いグリーンから黒っぽくなったら食べごろサインの点灯している証拠です。果肉はきれいな薄緑色ですが、空気に触れると茶色に変色するので、レモンをかけるなどして、テーブルへ登場させてください。

 
ビタミンEが豊富

良質な脂肪分が豊富なアボカドは、「森のバター」とも呼ばれています。含有脂肪分はほとんどが不飽和脂肪酸で、動脈硬化の原因となるコレステロールはほとんど含まれていません。

また、ビタミンEも多く、アボカド1個半程度で成人男子の一日のビタミンE適正摂取量である10mgを摂取できます。 ビタミンEには抗酸化作用があり、老化防止や高血圧予防、発がん抑制作用もあります。 つまり、アボカドは優秀な健康食品なのです。

 
種は観葉植物に

種には毒があるので要注意!特に天然ゴムに対するアレルギーを持つ人はアボカドの食用は避けた方が良いでしょう。 また、インコ、オウム、モルモット、ウサギ、ハムスターなどのペットに与えると中毒症状を起こし、痙攣・呼吸困難などに陥ることがあるので、調理後の種は適切に処理してください。

ところでこのアボカドは観葉植物としても楽しむことができます。食べた後の種をまず洗剤でよく洗い、きれいな水を張った容器に入れ、種が半分ほど水に浸かる状態にしておくと、1週間ほどで根が出てきます。根が出てきたら、鉢土に植え替えるとすくすくと育ちます。是非お試しください。         

   
   

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