長い夏休みも終わりに近づき、新学期を迎えようとしている千葉大学・西千葉キャンパス、既に学生さんの姿もちらほら戻って来ています。国立大学の中でも飛び級の容認などユニークな制度の導入に積極的な国立千葉大学、駅前のロ―タリーの一角にある門構えは周囲の風景に調和して、こじんまりとしています。まるで公園の入口にような親しみ易さに誘われて構内に足を踏み入れます。先生のいらっしゃる有害廃棄物処理施設までは600メートルあまり、ちょうど心地よい散歩道です。しばらく行くと、先生の電話でのご説明とおり、右手に2階建ての実験所のような建物が見えてきました。2階の一番奥の研究室は、蔵書と研究データ等の書類で埋め尽くされていました。編集部の来訪を聞いてデスクから立ち上がって迎えてくださった先生の後ろには、この部屋唯一のインテリアである帆船の大きなリトグラフが。どこか懐かしい立本先生の笑顔は初対面の緊張感を一挙に解きほぐす温かさでした。
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カーボンブラックから炭へ”