1939年4月ノルウェー・オスロ生まれ。オスロ大学医学部に入学し、21歳の若さでArne　Olavと学生結婚。結婚後も勉学を続けて63年M.D.を取得。その後ハーバード大学に留学し、65年M.P.Hを獲得しました。

同年帰国したブルントラントは特に公共保険に興味を持ち、国家社会保険省で医師免許を持つ相談員として、68年からはオスロ市の保健課で医療担当の役人として、70年から4年間はオスロ保健サービス学校の校長代理として働いたのです。やがて35歳になった彼女は環境大臣に任命され、その後80〜92年まで労働党党首を務め、また、首相の座を3度にわたって歴任しました。

重責を担い、激務をこなすブルントラントですが、家庭に戻れば4人の子供の母。母親としての感性が社会問題、環境問題への関心を強めたのかもしれません。首相任務の傍ら、軍縮や安全保障の問題にも精力的に取り組んできました。　そして今、ブルントラントが新たに取り組むのはWHOの仕事。着任早々、事務局長として辣腕を振るっています。

就任後、初の会見で彼女はこう述べました。「今、たばこを撲滅しなければ若い世代の将来に重大な遺恨を残すでしょう」　この言葉の裏にあるのはきっと、母としての視点。一人の女性として誠実に地球環境や生活環境を考える人。彼女の着実な足跡からはそんな人物像が浮かび上がってくるのです。