キューバと風力発電とチャイナタウン・・・
21世紀を俯瞰すれば、
これらは重要なキーワードなのかもしれない。
そんなことをホテル・ニューオータニ脇の
清水谷公園の前でぼんやり考えていたら
中国国家主席を乗せた車が
僕の前を通り過ぎた。
ちょうど宮中の歓迎会の後、
パンダを貸与する話の後くらいかしら。
僕はアイスランドから帰ってきたばかり。
次世代エネルギーということで
いろいろ考えていた昼下がり。
地熱のあるアイスランドって、
これまた不思議な組み合わせ。
熱を持った氷の島は、表面の雪をとかす
冷戦の終結の格好の舞台でもあった。
僕はよーく覚えている。
レーガンとゴルバチョフが
握手をしたあの小さな白い家。
アイスランドはレイキャビクの
海に面した綺麗な場所。
「雪どけ」
これは前世紀後半にわれわれが
辿り着きえたひとつの到達点であり、
大きなターニング・ポイントでもあった。
でも今世紀は、その「雪どけ」が、
温暖化の文脈にとってかわる。
北極でもヒマラヤでも、
モスクワでもワシントンでも、
雪はとけているように見える
いや、とかすべき雪は実はとけてはいない。
中国国家主席が行き過ぎ、
パトカーのサイレンが遠ざかる、
そんな午後に思うこと。