晩秋から冬にかけて無性に食べたくなる素材のひとつに、きのこがあります。この季節になると、私の住む新潟の市場には、近くの山で採れた新鮮なきのこ類がたくさん並びます。自分できのこ狩りをする人もたくさんいて、ときどきこの“山のごちそう”のおすそ分けをいただくことも。確かに、山に入るとそこらじゅうにきのこらしきものがたくさん。だけど素人ではどれが食用で、どれが毒を持っているのか、さっぱり分からない・・・毎年のようにきのこ狩りを楽しんでいる人たちは、きっと経験も長く、見分ける確かな目と感覚をお持ちなのでしょうね。
というわけなので、私はもっぱら近所の市場での購入。数種のきのこを手に入れました。採れたてのみずみずしいきのこがおいしいのはもちろんですが、今回はこれを干して使ってみました。ご存知のとおり、しいたけや大根などの野菜も、柿やいちじくなどの果物も、肉も魚も「干す」とグンと旨みがアップします。風味や甘みが増して、栄養素も高くなる。干すことによって得る自然の力はすごいですね。
今回は干すといっても、完全にカラカラになるまで乾燥するわけではなく、一昼夜ベランダなどで風にさらすだけ。これだけで香りや歯ごたえがうんと良くなるのです!
用意したきのこは「白まいたけ」「しいたけ」「エリンギ」「ぶなしめじ」の四種。一種類でもいいのですが、出来れば二種類以上ミックスした方がよりおいしくなります。作り方はとてもカンタン。それぞれをほぐして、ザルの上に並べ、お天気のいい日に朝から次の日の朝まで乾燥させるだけ。干す前にはたっぷりに見えたきのこも、半分の量にかさが減り、ウェット感がなくなってちょぴり固くなります。水分が抜けて、その分おいしさがギュッと凝縮された状態です。
この乾燥きのこはパスタやスープの他、リゾットに入れたり炊き込みご飯にしたり、サラダにしたりと色々使えるのでとても便利。旬の時期にたくさん手に入れて、ぜひ“ベランダ干し”に挑戦してみてください。
- ○材料
- 白まいたけ(またはまいたけ) / エリンギ / しいたけ / ぶなしめじ
- ① まいたけ、しめじは石づきを取ってほぐす。しいたけは厚めにスライスする。エリンギは手で縦に細く裂く。
- ② 大き目のザルに①を重ならないように並べ、雨のかからない場所に置き、一昼夜干す。
- ○材料
- 乾燥きのこ2カップ パンチェッタ50g / にんにく1カケ / たかのつめ1本
- 白ワイン50cc / しょうゆ大匙1 / オリーブ油大匙3 / パスタ200g
- ① にんにく、たかのつめはみじん切りする。パンチェッタは短冊に切る。
- ② フライパンにオリーブ油、①を入れ、中火にかけてじっくりと炒める。パンチェッタから脂が充分に出て、表面がカリッとなったら乾燥きのこを入れて炒める。白ワインを加えてしんなりするまで炒める。
- ③ アルデンテにゆでたパスタ、ゆで汁お玉一杯を②に加えて手早く混ぜ、しょうゆ、塩で味を整える。
- ○材料
- 乾燥きのこ1カップ / さつまいも200g
- コンソメ1個 / 生クリーム50cc
- ① さつまいもは皮をむいて角切りして鍋に入れ、水2カップ、コンソメを入れてふたをして煮る。
- ② さつまいもが柔らかくなったらミキサーに入れてピュレにする。鍋に戻し、乾燥きのこ、生クリームを加えて温める。塩で味を整える。