これから年末年始にかけて、人が集う機会が多くなります。なにかと気忙しいこの季節、お料理だけに100パーセントのエネルギーをかけているわけにはいかないのが正直なところ。そこで今回は、おもてなしをするときも、また、お呼ばれのときにも、とっても重宝するお弁当をご紹介。作り方はカンタンなのに、ふたを開けた瞬間食卓がパッと華やぎます。
手間のかかる金糸卵やでんぶなどは省く代わりに、色鮮やかな食用菊を使います。黄色の菊は、生まれ故郷の関西でもよく見ましたが(といっても刺身の添え物程度ですが・・)、紫の菊は新潟に来て初めて食べました。こちら新潟では『かきのもと』といって、秋〜冬の始め頃まで出回り、和え物や汁物によく使います。家庭ではもちろん、割烹などのつき出しにも必ずといっていいほど登場する、季節限定のなじみの深い素材。
調理方がこれまた大胆! まずガクをはずし、花をシャクシャクと“むしり”取ります。昔やった「花びら占い」どころではありません。少しの罪悪感を感じながらも、なかなか楽しい作業です。これを酢を入れた熱湯で、ほんの一瞬だけ湯通しし、冷水にとり、水気をきります。
私も最初の頃は花を食べることに少々抵抗があったのですが、ほのかな菊の香りと、シャキシャキした口当たりがクセになる美味しさ。ちなみに山形ではこの菊、『もってのほか』と呼ばれているそうです。
上にトッピングする刺身は、しょうゆとみりんで“漬け”にして、傷みにくくしました。今回はまぐろと、佐渡の甘エビ。殻付きで売っているので、頭は味噌汁に。コクのあるいいだしが出て、お寿司によく合います。
口直しに、長いもをスモークサーモンで巻いた一品を。お酒、特に日本酒によく合うので、日本酒の瓶も一緒にラッピングしちゃいました。粋なお土産でしょ ?
- ○材料 4人分
- 米2合
- だし昆布5センチ角 / 昆布茶大匙 1 / 酢大匙 3
- 食用菊(黄・紫) 各1カップ
- まぐろ200g / 甘エビ10尾
- しょうゆ大匙 3 / みりん大匙 3
1.米は洗って炊飯器に入れ、だし昆布を入れて炊く。炊き上がったら昆布茶、酢を加えて混ぜ込み、冷ます。
2.まぐろは1cm角に切り、えびとともにボールに入れ、しょうゆ、みりんを混ぜる。
3.鍋に熱湯を沸かし、酢(分量外)を少々入れ、ほぐした菊を入れてさっと湯通しする。冷水にとり、水気をきる。
4.(1)と(3)を混ぜ、容器に盛り、(2)を飾る。
- ○材料 4人分
- スモークサーモン80g
- 長いも10センチ
1.長いもは皮をむいてひと口大に切り、酢水(分量外)に漬ける。水気をきってスモークサーモンで巻く。