栄養価が高くて、捨てるところなくまるごと食べられるイカは、わが家の食卓にもたびたび登場する食材のひとつ。お教室をしていると、イカを自分で下処理したことがない生徒さんが意外と多く、“足をこうやって引っ張って、わたを取り出して…”と説明すると、みなさんキャーキャー言いながら、初めてのイカさばきに挑戦。とても賑やかです。1度やってみると案外カンタンなので、それからはお家の定番になった、という方々もたくさん。 今から10年ほど前に、パリのお料理の先生が、小さなヤリイカをマルシェで見つけ、私と一緒にイカ料理を作ったことがあります。彼女は普段はイカを食べないようなのですが、このときは私が日本から持参した素麺を使って、「ヤリイカとトマトのパスタ風素麺」なるものを作りました。イカわたとのコクと、トマトの酸味が効いていて、とてもおいしかったのを今でも覚えています。それ以来、イカのイメージが変わり、レパートリーもずいぶん増えました。 |
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種類も豊富なイカですが、今回はお値段もお手ごろで、なんといってもわたが大きなスルメイカを使います。まずは黒光りしていて、ポコンと丸みをおびているものを選択。うちの近くの市場では、朝収穫されたばかりの新鮮なものが並び、このようなイカはお刺身にしても、煮ても焼いてもおいしい。 イカの下処理はいつも娘の係りです。きれいに洗って、指を中に入れて足と胴体の部分をそっとはがし、ググッと引っ張る。わたが大事なんだからね。破らないでね。そ〜っと、でも一気に!!ついつい力が入る私の声に、娘はちょっと迷惑そう・・ |
すぽんと気持ちよく抜けたら、わたについているイカ墨(これも破らないよう気をつけて。少量でもそこらが真っ黒に。)を取り、ほぐして塩少々をふっておきましょう。身は中をきれいに洗って、軟骨を取る。今日は2杯用意したので、にんにくとわたの香ばしさがたまならい「わた入りチャーハン」と、大葉と生姜の風味を効かせた「イカ刺ときゅうりのわた和え」を作ることにしました。 どちらもコリコリした口当たりと、ほのかな甘みが楽しめて、イカのおいさが堪能出来るメニューです。あっそうだ。作る前にすっきりタイプの吟醸酒とビールを冷やしておこう。うん、そうしよう! |
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