~地球の声に耳を傾ける~エコピープル

 

2025年春号 Ecopeople 103横浜市みどり環境局環境科学研究所
関浩二さん・
浦垣直子さん・
小川義人さん
インタビュー

新年の清々しい光の中、横浜港に係留されている大型貨客船氷川丸、その船首に掲げられた日章旗が真っ青な空を背景にはためき、目の前に広がる海のパワーを全身で感じられる場所、それが山下公園です。海に沿って約100メートルの幅で、750メートルにわたって伸びる山下公園は今、日本全国で整備が進む海浜公園の草分け的な存在。横浜市民のみならず、1930年の開園以来、多くの人々に愛されてきた横浜のランドマークとして、海風と年間を通して咲くバラ園、そして近年は世界のトライアスロンのアスリートが、その頂点を目指す『ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会』のメイン会場として、ミナト・ヨコハマのイメージを拡張しています。

『ワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会』が横浜で初めて開催されたのは2009年、横浜開港150周年という記念すべき年を祝うイヴェントとして2007年、開催が決定! 横浜市は、全市をあげて横浜港の競技対象エリアの水質を改善させ、大会は見事成功。そしてその歩みを、その後も止めることなく、生物多様性の回復と海の生きものたちの力による横浜港の水質浄化を目指しています。今では氷川丸のすぐ近くの浅瀬でアイナメの産卵が確認されるほど、多くの海洋生物が棲む、美しく豊かな海へと生まれ変わろうとしています。

ランとバイクのみならず、山下公園前面海域での1.5キロのスイムを含む51.5キロを競う過酷な競技、トライアスロン。レースの最中、ふと見上げると大型の客船が停泊し、折り返し地点には日本の海運史に燦然と輝く重要文化財、氷川丸が係留されている横浜港。世界から集うアスリートを魅了するのは横浜の歴史と文化、そして横浜市民の環境意識の高さです。
真の意味での豊かな海を追求する山下公園前海域での「豊かな海づくり」プロジェクト、そこには横浜市環境科学研究所の研究者たちとJFEスチール株式会社(以降、JFEスチール)の技術者たちの連携がありました。



取材日|2025年1月10日
取材場所|横浜市みどり環境局 環境科学研究所
インタビュー・テキスト|太田菜穂子
写真|宇壽山貴久子



関浩二 SEKI Koji

横浜市みどり環境局
環境保全部
環境科学研究所
調査研究担当係長
博士(学術)





浦垣直子 URAGAKI Naoko

横浜市みどり環境局
環境保全部
環境科学研究所
調査研究担当





小川義人 OGAWA Yoshito

横浜市みどり環境局
環境保全部
環境科学研究所
調査研究担当











インタビュー コラム