~地球の声に耳を傾ける~
エコピープル

2023年春号 Ecopeople 95『三人三様、その未来の姿』

8 2023年はこんな1年にする!

編集部
皆さんへの最後の質問です。2023年はどんな年になるか?
そして、個人的にはどんな年したいですか?

山﨑
おそらく、2023年は多くの人にとって、非常に困難な年になるだろうと思います。
ウクライナでの戦争もいまだに継続していますし、エネルギー、食糧を孕んだ経済問題も深刻です。あらゆる分野では分岐点を迎え、未来への真の選択をする局面に立たされる年になると思います。
僕は少しでもいいから未来の世代の幸せにつながる“まともな方角”に向かって、みんなが舵を切っていけるような年になってほしいなと思っています。
僕自身も、少しでもより多くの人々が良い方向に向かえるよう、そして、自分自身が正しいと信じることを多くの人に語りかける1年にしたいと思いますね。
前田
最近聞いた話ですが、2024年6月から障がい者に関する法律が、今までは努力義務から法規制になるっていう話を聞いて、社会の多様化がさらにもっと進むんじゃないかと思っています。法規制の確立によって、一般の人たちが社会の多様性を考えるきっかけになるのではと思っています。
現在、その方向に向け、車椅子が通れる道幅を確保したり、公共空間の仕様が確実に変わってきています。
私の主宰する「木育ワークショップ」でも左利き用のハサミを用意したりしています。
ささやかなことかもしれませんが、プログラムの組み立てにこうした意識を取り入れて、将来的には車椅子の高さの作業机を調整していこうと思い、「木育研究所」という団体を去年の10月に立ち上げたんです。そういう意味でも2023年は飛躍の一年にしたいなって思っています。
先ほど、久保寺さんから事業計画の話も出ていましたが、私の木育研究所は何の事業計画もなくつくったんですよ!(笑い)もちろん計画性は大切だと思うんですけど、私は計画しても、そうじゃなくなくなる事態も実際には起こるじゃないですか? 計画上や想定内ではあり得ないことが実際にはたくさん起きてしまう…。今回のコロナもそうですけど。
そういう時にどういう対応できるか?
その時の判断や行動こそがイノベーティブで、クリエイティブな展開へと繋がるのではないかと。がっちり計画したことを黙々とフォローするだけだったら、誰でもできるんじゃないかと私は思っちゃうんですよ。
未知なるものに対応する時にこそ、真のクリエイティブの力が問われると思っているので。
言い訳っぽくなりますけど、計画はそんなに重視しなくていいんじゃないかなって思ってる派です。ただ、「その結果、どうなるの?」とか、「それでどういう利益が求められるの?」とか、大人からはよく言われるんですけど…
編集部
前田さんはもう立派な大人よ。

前田
結果や利益計画を今の時点で出せるようなら、やる意味ないじゃんって正直思っちゃう。まあ、将来的には利益を出さないといけないから、出せるよう頑張りますが…。
山﨑
前田さんって、カミナリみたいな生き方ですよね。
どこに進むか決めないけど、「あったー!」って。いいですね、僕もその生き方します!(笑い)
前田
決まりきったことより、いろんなこと、人生にはさまざまなイベントがあった方が楽しいなって思う日々になりそうです。
久保寺
今の話でいうと、僕も別に計画っていってもそんなにガチガチに組むことは無理だと思っているので、まあ「計画」っていう表現が適切ではなかったかも。「見通し」くらいにしておくのがいいのかもしれないですね。
見通しは日々変わるもんですから、見通しをもって歩んで行ければいいなって思っています。
2023年の予想では、社会全体として山﨑君が言っていたように、苦しい状況が続くみたいな点では同様です。だからこそ、そうした環境下にあっても、私自身としては、自分のやっていることを持続できる形で徐々にでも実を結んでいくような日々にしたいと思っています。
私は活動の中では常に現場に立ち、「教育」にずっと関わってきた人間なので、先ほどの話にもありましたが、我々自身がそういうことをしっかりと発信していく必要性もあると思っています。発信し、それを受け取る子どもたちが増えるような発信の仕方を進化させていけたらな〜と。
そしてこれは、僕の生涯ビジョンでもありますけど、一人でも多くの人に対して“「諦める」という選択を減らす手助け”ができる年にしていきたいなあ、と思っています。
編集部
みなさん、素敵です。それぞれのビジョンでの活動を心から応援しています。
ありがとうございました!