世界最高峰という高い評価を得る日本の果物、その「ジューシーで香り高い味わい」は今や多くの人々を虜にしています。その“見た目の美しさ”に加え、繊細で独特な味わいは、一度口にしたら忘れられない“食の感動”として記憶され、世界中にリピーターを誕生させています。
その評価は価格にも反映され、近年では一粒五万円もする「美人姫」や、一房が百万円という値段がつくブドウ「ルビーロマン」など、まさに芸術品として扱われるレベルにまで至っています。
この背景にあるのは、日本人の職人技とも言える栽培家たちの惜しまぬ手当てと、科学者のようなアプローチで新種の創造に挑む育種家たちの日々の研鑽があってのこと。
本年度は、長野県塩尻市で100年以上続く、屋号『油屋』の「塩原農園」4代目、塩原真澄さんにナビゲーターをお願いしました。塩原さんが取り組まれている新種ぶどう誕生の秘話や、日本の果物栽培の最前線について、年間4回のシリーズでご紹介いたします。
1974年、長野県生まれ。微細加工会社に開発エンジニアとして勤務したのち、29歳より実家の果樹園経営を引き継ぐ。果物農家、育種家として果実の収穫に従事する傍ら、2001年より自ら育てた果物を写真で表現するプロジェクトに取り組む。
2018年 初個展を開催。その後世界各地のフォトフェスティバルの招待作家として参加するなど、写真家としてのキャリアも確実に積み上げている。