編集部|
「JFEトンボみち』の現状について教えていただけますか?
澤井|
編集部の皆さんが取材に来てくださった2009年5月、弊社は鶴見線沿いの所有地にあったビオトープを「トンボ池」と名づけ、遊歩道を中央に設け、住民の皆さんや近隣の小学校に通う子どもたちが自由に出入りできる公開緑地「JFEトンボみち」を整備しました。
小さなお子さんたちが自然界の様々な“いきもの”に触れ、生物とのリアルな学びの場となればと考えてのことでした。
その3ヶ月後の8月には、早くも近隣住民の有志の方々によって「トンボみちファンクラブ」活動が始まりました。ファンクラブは、定期的にトンボみちの清掃や周辺の花壇の整備を行うと共に、子どもたちが“いきもの”に触れ、自分たちが住んでいる地域の自然に関心を持ってもらうためのトンボ調査「トンボとり大作戦」や、季節ごとに楽しいイベント企画を立て、『JFEトンボみち ファンクラブ通信』を発行するなど、活発に活動されています。弊社はこの活動方針に賛同し、活動をサポートしています。
編集部|
ファンクラブの皆さんはどんな方々なのですか?
山口|
年齢は実に幅広いです。お近くにお住まいのご家族、お母さんやお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にお越しになるお子さん、個人でのご参加、年齢も性別もさまざまです。ファンクラブには弊社を退職した元社員もおり、月例で一緒に活動をすることで生まれた“緩やかなつながり”をみなさんがそれぞれに楽しんでいらっしゃいます。
編集部|
企業の敷地内ではなく、隣接する場所を公開緑地の「トンボみち」とされたことが参加への敷居を低くしたのでしょうね?
澤井|
そうですね。本社の敷地内となると、セキュリティー等の関係からも、一般の方々が気軽に立ち寄ったりできませんが、弊社のJR鶴見線沿いの所有地を開放したので、「トンボみちファンクラブ」の皆さんも日中は自由に出入りできます。
編集部|
月例で活動されているとのことですが、メンバーにはどのように告知され、毎回、どんな活動をされているのですか?
山口|
「トンボみちファンクラブ」は公式サイトがあるので、サイトで告知すると共に、ファンクラブで作成しているA4版の『JFEトンボみち ファンクラブ通信』を活動日に配布し、次回の活動日とその内容がクラブメンバーにちゃんと伝わるようにしています。
活動日は通常、月末の土曜日の午前中。9:00~11:00の2時間ですが、中止や変更が生じた際は、公式サイトのトップで告知しています。
https://tombomichifc.jimdofree.com/
編集部|
WEBと紙での告知もされているのですね。公式サイトも拝見しましたが、活動実績の報告、イベント情報、トンボ百科、地図、規約のみならず、「JFEトンボみち憲章」など、非常にしっかりした内容なので驚きました。
澤井|
2009年の発足以来、京浜工業地区の複数の企業、市民の方々、横浜市や鶴見区を縦断しての行政の協力、田口先生始め、専門家のご指導、そして何よりファンクラブの方々の熱意があったおかげです。「JFEトンボみち」の活動が“点から線”へ、“線から面”へと発展できたのは、異なる知見を持つさまざな分野の関係者による協力のおかげだと思います。
とりわけ初年度にファンクラブがスタートしたのは、近隣のみなさんがトンボ池と遊歩道の意義を理解されたからでしょう。そして現在も、その活動に積極的に参加してくださっていること、本当にありがたいと思います。