食材ラボ「こんにゃく」

こんにゃく

こんにゃく芋は、少しかじっただけでもロの中がビリビリするほどの強烈なエグ味があって、他の芋のようにそのままゆでたり、焼くだけでは食べられません。

こんにゃく芋を蒸してすり潰し、石灰水(アルカリ水)を混ぜて煮込むと固まり、こんにゃくになります。 現在は凝固剤に水酸化カルシウムなどを使用しますが、昔は藁を燃やした炭を水に溶かし、ろ過した灰汁(あく)を凝固剤として使用していました。 1000年以上前の人は、このような芋に灰汁を混ぜてエグ味を取り除き、食用にしていたのです。先人達の知恵と食文化の深さに本当に感銘を受けます。


こんにゃくを作る時に使われる「灰汁(あく)」という言葉には、二つの意味があります。一つは芋のエグ味そのもののことで、もう一つはエグ味を中和して取り除き、こんにゃくを固まらせる働きをもった灰汁のことです。つまり、灰汁を使って「アク」をぬく、ということになります。



草木灰(そうもくばい)灰汁*

*稲藁、胡麻がら、大豆がらなどを燃やして、灰に浸して上澄みをすくった液のこと。

草木灰(そうもくばい)灰汁*の作り方
  • 今回は稲藁と大豆がらを燃やして、その灰を水に浸す。
  • 水に浸った灰を、素早く布でこす。
  • こされた灰汁を再び、灰にかける。この工程を4、5回繰り返し灰汁が透き通るまで行う。

こんにゃくの作り方

材料
こんにゃく芋
400g
灰汁
1600cc
作り方
  • こんにゃく芋をタワシで洗い、一口サイズに切る。
    (手がかゆくなる場合があるので、手袋をして行う)
  • 灰汁1600ccとこんにゃく芋400gを、ミキサーにかけてドロドロにする。
  • 鍋に移し替え、時々かき混ぜながら、20分程度弱火にかける。
  • 型に流し込み、常温で一晩冷ます。
  • 表面に水をはり、ヘラで適当にカットする。
  • 大きな鍋に水を入れ、カットしたこんにゃくを入れる。
  • アクをとり、時々かき混ぜながら1時間ほど煮る。
  • 落とし水で冷まして完成。