食材ラボ「ぜんまい」

ぜんまい

山菜は、もともとは雪国の保存食でした。なかでもぜんまいは貴重品で、昔はかなり危険な斜面に採りにいって、干し上げるまでも手間がかかったため、江戸時代から高級食材として珍重されてきました。
今も、ぜんまいを採りにいくときはしっかりと装備をして山に入ります。

ぜんまい採取

ぜんまい採りには「男ぜんまいは採らずに残す」というルールがあります。
男ぜんまいは固くて美味しくないということ以外にも、男ぜんまいを採ってしまうと、来年以降その場所にぜんまいが生えなくなってしまうので、必ず残しておきます。



ぜんまいの下処理

採ってきたぜんまいは、その日のうちに処理します。
(その日のうちに処理しなければ「山にかえる」と言われ、ダメになってしまうため)

乾燥ぜんまいの作り方
  • ぜんまいの穂先の綿毛を綺麗に取り除く。
  • 綿毛をとった後に、たっぷりの水で洗う。
  • 大きめの鍋に、お湯を沸かす。
  • 沸騰したらぜんまいを入れ蓋をして、再び沸騰したらひっくり返して(混ぜて)、1分ほど茹でる。
    ※茹ですぎないこと
  • 茹で上がったら、そのままゴザやむしろに広げて、1-2時間乾燥させる。
    ※天気が悪い時などは一旦水にさらし、冷ましておくが、茹でてすぐに干したほうが水切れもよく、乾燥が早い
  • その後、2-3時間おきに「揉み込む」-「広げて乾燥」、を繰り返す。
  • 翌日も同じことを繰り返し、3日目には完全に乾燥した状態(乾燥ぜんまい)に。

乾燥ぜんまいを戻す

完全に乾燥させたぜんまいは、保存ができる一方で、戻すにもひと手間かかります。

乾燥ぜんまいの戻し方
  • 乾燥ぜんまいをザルにとって洗う。
  • 洗ったぜんまいを、たっぷりの水に入れて一晩おく。
  • 一晩おいたぜんまいの水を切り、鍋に移して火にかける。
  • 沸騰直前で火を止めて、鍋の水が冷めたら軽くぜんまいを揉む。
  • 水をかえて、同じことを2-3回繰り返す。
  • 最後に直前で火を止めたら、そのまま一晩おいておく。
  • 翌日水を切って、完成。