食材ラボ「キノコ」

今年はようやくキノコの師匠と出会うことがきました。可能な限り一緒に山に入っています。

「山に食材を求める時、ただ闇雲に山に入るのではなく、今日は何を採りに行くのか目星を付けてから入る」。これは山菜を教えていただいた師匠からの言葉です。そのためには、日々山を歩き、観察して、その移ろいに敏感になっていないといけない。これは、キノコにも同じように当てはまることを学んでいます。


ただ、キノコを探すには、山菜を探すときの「目」とはまた違う「目」が必要なのです。なんというか、キノコの場合は、より匂いに敏感になります。キノコそのものを見るのではなく、樹木を観察しながら探すキノコ狩りは、表層で山を見るのではなく、森の仕組みを理解する知識が必要なのだと感じています。


知識をもとに、お目当てのキノコを見つけられた時は、感動そのものです。そして何より、自然が創り出す造形の美しさたるや。野生のキノコの自然の妙、自然の造形美は本当に素晴らしいです。

野生のキノコは研究が進んでいないので、素人が浅はかな知識でキノコ狩りをするのは、 大変難しいと思います。山菜もそうですが、写真や図鑑、インターネットの情報では伝わらない知識が、山にはたくさんあります。採取前のキノコの状態の見方、採り方や、採った後の処理の仕方も種類によって変わってきます。理解するにはまだまだ何年もかかりそうです。

アカヤマドリ(イグチ科のキノコ)*の下処理


  • 虫出しのために必ず塩水で洗う。
    (山のものは動物も触っている可能性がるので、必ず丁寧に下処理を行う)
  • 塩水で洗う前に計量して、洗った後にも計量する。
  • 冷蔵庫で風をあてながら、一晩乾燥させ、最初の計量と同じ重さに近づける。
    (水分を飛ばす)




*アカヤマドリについて、さらに知りたい方はこちら:ホクト(株)きのこラボ「【きのこアルバム】アカヤマドリ」