~地球の声に耳を傾ける~エコピープル

 

2026年早春号 Ecopeople 107松浦弥太郎さんインタビュー

年明け早々、世界地図の変更を迫る事態が発生し、私たちが共有してきた秩序や共通の価値観への信頼や信用を失いつつあることを実感します。激動する時代、日々を生き抜くことの厳しさ、そして自分自身の心のバランスをとることの難しさを感じる若者たちの間で、厚い支持を得ているエッセイストがいます。元『暮しの手帖』編集長、松浦弥太郎さんです。『今日もていねいに。 暮らしのなかの工夫と発見ノート』、『100の基本 松浦弥太郎のベーシックノート』、『しごとのきほん くらしのきほん 100』、『大切に抱きしめたい お守りのことば』、その著作は平易な言葉で、淡々と語られているのですが、時折ぐさりと突き刺さり、同時にじわっと沁み入る言葉で私たちの心に響きます。

言葉というのは、人を喜ばせたり、
人を笑顔にするために使うものだと
心のどこかに刻まれて僕は成長しました。
言葉とは何か。そう聞かれたら、僕はお守りと答えます。
そして、もっと言うなら、言葉は魔法です。

『大切に抱きしめたい お守りのことば』より

猛烈なスピードで日常の暮らしのルールが塗り替えられ、効率優先の最新技術が導入され、全世代に新たな社会システムへの迅速な対応が求められる現代、松浦さんの言葉を直に聞きたいと思いました。
インタビューの場所に指定されたのは、都心とは思えないほど静かで、穏やかな気配が流れる空間。全面ガラスの向こうにはウッドデッキのテラスがあり、隣接する濃い緑の木立からは小鳥の声が響いてきました。それは松浦さんが纏っている空気感そのもの、冬の昼下がり、優しい光が差し込む室内で、インタビューが始まりました。





取材日|2026年1月16日
取材場所|東京都港区
インタビュー・テキスト|太田菜穂子
写真|宇壽山貴久子





松浦弥太郎さん
インタビュー



松浦弥太郎 MATSUURA Yataro
エッセイスト / 編集者

1965年東京生まれ。高校中退後、18歳で単身渡米。その後も何度か渡米を繰り返す中で、アメリカの書店文化に触れ、本の持つ世界に魅了される。1996年、トラックを改造した移動書店「エムアンドカンパニーブックセラーズ」を開業。2003年には現在も中目黒にある書店「 COW BOOKS」を開業する。
エッセイストとして多くの著書を発表する他、『暮しの手帖』の編集長を9年間務めるなど、編集者としての顔も持つ。「DEAN&DELUCA MAGAZINE」の編集長やユニクロとの共同プロジェクト「Life Wear Story 100」のWebサイトに連載を寄稿するなど執筆活動の他、企業のアドバイザーやオリジナルレシピの開発など、幅広い分野で活躍。「みなさん、おはようございます。」で毎回始まる松浦さんの「X」は、多くのフォロワーの一日の始まりとなっている。