〜命をいただく〜エコキッチン

2024年冬号食材の個性が光る
一皿を味わう

ナビゲーター | 吉田夏織

1978年函館生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業後、米国カリフォルニア州へ留学し、授業の一環で飲食業で研修。東京と札幌で料理の経験を積み、SIOに入店。2019年、農業研修を経てアグリスケープの料理長兼農場長に。2021年狩猟免許取得。

「エコピープル」でのインタビュー記事 ≫



写真|浅野久男 ASANO Hisao

第三回先人から受け継ぐ知恵

北海道の冬は長い。
札幌では11月に雪が降っては解け、降っては解け、を繰り返し、ついに根雪になるのが12月に入ったころ。

キラキラに光る真っ白な雪景色だったり、雪国ならではのスポーツだったり、この雪の楽しみ方はたくさんありますが、野菜の貯蔵のためにも雪は欠かせない存在です。












アグリスケープでは秋に大根を収穫した後、半分は洗って干して漬物用に準備します。残った半分は穴を掘って土の中に埋めてしまいます。冬が来て、外は氷点下の世界でも、土の上に降り積もった雪のおかげで、大根は温度0℃、湿度100%に保たれるのです。

















春が来るまで、この天然保管庫から掘り出しながら大根を使うのですが、包丁の先を触れただけでバキッと割れるくらいみずみずしく、甘みを増した大根を扱うたびに、先人の知恵に頭が上がらない思いをしています。




















大根と白菜のブレゼ

材料
大根
1/2本
白菜
2枚
ベーコン
4枚
チキンブイヨン
100cc
オリーブオイル
適量

適量
作り方
  • 大根の皮をむいて、1.5cmの厚さにカットする。白菜は縦半分に切る。
  • 浅鍋でベーコンを焼き、香りが出てきたらブイヨンを加えて煮立たせ、香りを移す。
    一度鍋からブイヨンとベーコンを取り出し、オリーブオイルを引いて、大根と白菜を焼き色がつくまで焼く。塩を振って下味をつける。
  • 取り出したブイヨンを加え、ふたをして、大根がやわらかくなるまで弱火でじっくり火を入れる。