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1978年函館生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業後、米国カリフォルニア州へ留学し、授業の一環で飲食業で研修。東京と札幌で料理の経験を積み、SIOに入店。2019年、農業研修を経てアグリスケープの料理長兼農場長に。2021年狩猟免許取得。
「エコピープル」でのインタビュー記事 ≫
写真|浅野久男 ASANO Hisao
北海道の冬は長い。
札幌では11月に雪が降っては解け、降っては解け、を繰り返し、ついに根雪になるのが12月に入ったころ。
キラキラに光る真っ白な雪景色だったり、雪国ならではのスポーツだったり、この雪の楽しみ方はたくさんありますが、野菜の貯蔵のためにも雪は欠かせない存在です。
アグリスケープでは秋に大根を収穫した後、半分は洗って干して漬物用に準備します。残った半分は穴を掘って土の中に埋めてしまいます。冬が来て、外は氷点下の世界でも、土の上に降り積もった雪のおかげで、大根は温度0℃、湿度100%に保たれるのです。
春が来るまで、この天然保管庫から掘り出しながら大根を使うのですが、包丁の先を触れただけでバキッと割れるくらいみずみずしく、甘みを増した大根を扱うたびに、先人の知恵に頭が上がらない思いをしています。