〜命をいただく〜エコキッチン

2025年春号食材の個性が光る
一皿を味わう

ナビゲーター | 吉田夏織

1978年函館生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業後、米国カリフォルニア州へ留学し、授業の一環で飲食業で研修。東京と札幌で料理の経験を積み、SIOに入店。2019年、農業研修を経てアグリスケープの料理長兼農場長に。2021年狩猟免許取得。

「エコピープル」でのインタビュー記事 ≫



写真|浅野久男 ASANO Hisao

第四回春は希望に満ち溢れた季節

北海道の春は遅い。
私たちのレストランがある札幌の小別沢地区では
4月になってようやく雪が溶け始めます。
雪が溶けても、畑が乾くまで待ち、やっと土を耕すことができるのです。
















さらに遅霜の心配がなくなるまで苗を植えるのを待ちます。
雪が溶けたからといって、すぐに作物がとれるわけではありません。

やっとそこから種まきや苗植えが始まる訳で、春に使う食材は越冬野菜が中心になります。
雪が溶けはじめる頃、蕗のとうが顔を出し、
山菜のシーズンがはじまり、ついでアスパラが出てくると、
いよいよ北海道の畑のエネルギーは全開します。










冬の間、雪の下でじっと春を待っていた植物たちが放つエネルギーは
毎日、その成長が目にはっきり見えるほどの勢いがあります。

春は希望に満ち溢れた季節、
植物も動物も、そしてアグリスケープのスタッフにとっても新たなスタートの時。
今年はどんな1年が待っているのでしょう。
期待を胸に今日も畑と厨房に立ちます。














春のフラン

材料(4人前)
【フラン】
たまご
1個
チキンブイヨン
180g

適量
【大根ソース】
大根
1\4本
チキンブイヨン
200cc

適量
コーンスターチ
適量
【ハーブオイル】
バジル、ディル、ミント
などのフレッシュハーブ
適量
グレープシードオイル
ハーブの2倍量
【仕上げ】
チーマディラーパ
(または菜の花)
8本
作り方
  • フラン
    たまごとチキンブイヨンを合わせ、塩で味を整えて、漉す。
  • 器に4等分にして注ぎ、約10分蒸す。
  • 大根ソース
    大根をすりおろし、沸騰したお湯にくぐらせて臭みをとる。
  • 温めたチキンブイヨンに1を加え、塩で味を調えた後、一度沸かして水でといたコーンスターチを加えてとろみがつくまで火を入れる。
  • フレッシュハーブオイル
    ハーブのやわらかい部分だけをちぎり(茎もやわらかければ一緒に使う)、沸騰したお湯の中に20秒くらい入れて、氷水におとす。
  • 水気をしっかり切り、グレープシードオイルと一緒にミキサーでまわす。
  • キッチンペーパーを使って漉す。
  • 仕上げ
    フランの上に大根ソースを流し、炭で香ばしく炙ったチーマディラーパをのせ、ハーブオイルをたっぷりかける。