

1978年函館生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業後、米国カリフォルニア州へ留学し、授業の一環で飲食業で研修。東京と札幌で料理の経験を積み、SIOに入店。2019年、農業研修を経てアグリスケープの料理長兼農場長に。2021年狩猟免許取得。
「エコピープル」でのインタビュー記事 ≫
写真|浅野久男 ASANO Hisao
北海道の春は遅い。
私たちのレストランがある札幌の小別沢地区では
4月になってようやく雪が溶け始めます。
雪が溶けても、畑が乾くまで待ち、やっと土を耕すことができるのです。
さらに遅霜の心配がなくなるまで苗を植えるのを待ちます。
雪が溶けたからといって、すぐに作物がとれるわけではありません。
やっとそこから種まきや苗植えが始まる訳で、春に使う食材は越冬野菜が中心になります。
雪が溶けはじめる頃、蕗のとうが顔を出し、
山菜のシーズンがはじまり、ついでアスパラが出てくると、
いよいよ北海道の畑のエネルギーは全開します。
冬の間、雪の下でじっと春を待っていた植物たちが放つエネルギーは
毎日、その成長が目にはっきり見えるほどの勢いがあります。
春は希望に満ち溢れた季節、
植物も動物も、そしてアグリスケープのスタッフにとっても新たなスタートの時。
今年はどんな1年が待っているのでしょう。
期待を胸に今日も畑と厨房に立ちます。